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菊地 紀宏; 森 健郎; 岡島 智史; 田中 正暁; 宮崎 真之
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 8 Pages, 2023/05
原子力機構ではAI支援型革新炉ライフサイクル最適化手法(ARKADIA)を開発している。その一部として、ナトリウム冷却高速炉(SFR)を含む先進原子炉プラントでの設計最適化プロセスを支援するツール(ARKADIA-Design)の整備を進めている。われわれはSFRの機器構造の設計最適化プロセスの構築を行っている。本論文では、設計最適化プロセスの概要、プロセスにおける評価手法の概要紹介、実現可能性の検討のために実施した最適化プロセスのデモンストレーションの結果について示す。原子炉構造の設計最適化において、SFRの代表的な課題として熱過渡と地震動を考慮した代表例題に基づき、最適化プロセスの開発を行っている。本最適化プロセスでは、異なるメカニズムによる破損に対する荷重の寄与率を比べるため、最適化の目的関数の要素として破損確率を用いた。デモンストレーションを通じて、開発中の最適化プロセスが代表例題に対して最適解を提示する見通しを得た。
菊地 紀宏; 森 健郎; 岡島 智史; 田中 正暁; 宮崎 真之
第26回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2022/07
原子力機構では、ナトリウム冷却高速炉における熱過渡荷重と地震荷重に対する原子炉容器胴部の板厚の最適解を得るためのプロセスを代表例題として設定し、炉構造設計最適化手法を整備している。熱過渡荷重に対する原子炉容器の耐性は、ナトリウム冷却高速炉の構造健全性に関する安全性評価の重要な要因のひとつである。地震による機械荷重のような異なる破損メカニズムに対して共通した尺度となるように、熱過渡に対する機器の破損確率を、目的関数の要素を構成する変数の1つとして、設定した。設定した熱過渡荷重による破損確率の評価に用いる熱過渡荷重分布を求めるために、プラント動特性解析コードによるパラメーター解析を実施する。最適解を得るためには、設計変数の条件を変更して、相当回数のパラメーター解析を実施する必要がある。設計検討において、最適化に要する時間を短縮する必要があることから、まずは、時間のかかるこのパラメーター解析の自動化方法を検討し、最適化プロセスに実装した。
山本 昌彦; 家老 克徳*; 小高 典康; 久野 剛彦
JAEA-Technology 2019-014, 68 Pages, 2019/10
グローブボックス, 遮蔽セル内で実施している放射性試料分析の前処理法であるカラム分離操作を自動化するため、Microsoft製Excel Visual Basic for Applications(VBAマクロ)でプログラムを作成し、シリンジポンプ, 電動ビュレット, フラクションコレクター, 電動バルブを制御した。各機器に合わせてケーブルを製作し、通信設定を調整した結果、プログラム通りに操作できることがわかった。そこで、VBAマクロで各機器を逐次的に制御した自動コンディショニング装置と自動分離装置を製作した。自動コンディショニング装置では最大8本のカラムへ、硝酸の添加と静置の操作を繰り返し自動で行うことができた。また、自動分離装置では、Srを吸着・溶離可能なEichrom Technologies製Srレジンを用いて、模擬高放射性廃液中のSrを良好に分離・回収することができた。汎用ソフトであるVBAマクロを利用した本法は、作業の省力化、作業者の被ばく低減、分析の誤操作を防止することができ分析操作の自動化に有効であると共に、自動化に係るコストの大幅な削減も期待できる。
藤田 博喜; 野島 健大; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*
KEK Proceedings 2016-8, p.168 - 172, 2016/10
平成25年1月から平成27年3月までの期間において、復興促進プログラム(マッチング促進)として、「環境試料中ストロンチウム-90(Sr)分析用自動化システムの開発」に取り組んだ。灰試料(農畜産物及び海水産物)を対象としてストロンチウムを単離するまでの工程を自動化することはできたが、実際の試料中Sr濃度測定を行うことができていなかったため、本システムによる分析を実施し、作業者による分析・測定結果と比較することにした。また、システムを改良し、各分析工程における装置の性能を向上させることができたので、その内容についても報告する。
野島 健大; 藤田 博喜; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*
KEK Proceedings 2015-4, p.111 - 115, 2015/11
Sr分析を放射性ストロンチウム分析法(文部科学省、放射能測定法シリーズ2)に従って、環境レベルのSr濃度を自動で分析するシステムを開発したので、その成果を報告する。本研究では、この分析における湿式灰化、化学分離、イオン交換に係るそれぞれの工程を、ロボットや自動加熱装置等を組み合わせて、自作の制御プログラムにより、自動で分析できるようになった。
佐藤 文明*; 森山 伸一; 横倉 賢治; 篠崎 信一; 平内 慎一; 鈴木 康夫*; 関 正美
平成14年度東京大学総合技術研究会技術報告集, 3 Pages, 2003/03
JT-60電子サイクロトロン加熱(ECH)装置においてプラズマ加熱及び電流駆動効率を高めるためには偏波の最適化が必要であり、そのためには偏波測定が不可欠である。これまでの偏波測定では膨大なデータを収集するために長期に及ぶ作業を必要とし、またすべて手作業で行われていたために測定が安定しないなど幾つかの問題点を抱えていた。そこで今回、偏波測定におけるデータ取得及び収集を改善するため偏波器の実時間制御プログラムを作成し、データーロガーでパソコンに取り込むことにより測定を自動化した。その結果、以前の測定方法に比べ測定効率を飛躍的に向上させることができた。
掛樋 勲; 戸澤 克弘; 松本 俊一; 田中 健哉; 吉氏 崇弘*
JNC TN9400 2000-053, 99 Pages, 2000/04
本研究は、従来のPurex再処理法-ペレット加工法と異なるシステム概念の乾式リサイクルシステム(乾式再処理-射出成型(金属燃料)、振動充填(酸化物燃料)加工法)における操業性評価に係るものである。乾式リサイクルシステムは、工程機器で処理した燃料(使用済み燃料、リサイクル燃料中間製品、リサイクル燃料製品)を固体の形で次の工程へ移送するバッチ処理システムである。このため、工程間の燃料移送はハンドリングロボットを用いて自動化された物流システムで行う。本研究では、米国アルゴンヌ国立研究所(ANL)の金属燃料プロセスを例に、乾式プロセスのロボットによる自動化操業システムについて、ロボットの必要機能、ロボットと工程機器の相互の操作性、動作・移送時間等の観点でシステム評価を行った。評価は、プロセス機器、機器動作、プロセス移送物及びハンドリングロボット機能の現実化したモデルをシミュレーションコードに組み込んで、ロボットによるプロセス操業をシミュレーションする、バーチャルエンジニアリング手法を適用して行い、ロボットによる乾式プロセス物流操作の現実性を示した。またプロセス設計、技術開発の進捗による、より実際的で、合理的な乾式システムの物流システム構築の課題を摘出して示した。
田辺 文也
サイアス, 5(3), p.22 - 23, 2000/03
原子力発電プラントのような巨大複雑システムの安全確保のために多重防護の考え方に基づき多層の対策が立てられてきた。しかしながらより一層の安全性向上のためには新たな発想をもとにした方策が必要である。なぜならば、想定したシナリオを超える事故が多々起こるからである。このような場合に、作業者はシステムの機能的構造及びその背後にある物理プロセスに対する深い理解をもとに、システム状態を正確に把握して創造的な対処策を編み出すことが要求される。それに必要な的確なメンタルモデルの形成を支援し、事故対処策の創出を支援するものとして、原研では生態学的インターフェースという新しい概念に基づいて、新しいマンマシンインターフェースシステムを開発している。
高橋 博樹; 山本 和喜; 頼経 勉; 新井 信義; 美留町 隆
JAERI-Tech 99-037, 44 Pages, 1999/03
JRR-4では、1996年2月に高濃縮燃料から低濃縮燃料への炉心改造を開始し、1998年5月に全作業工程を終了した。この改造工事の一環として、計測制御システムと主制御盤等の更新を行い、それにあわせて運転支援システムを設計・製作した。本報告書は、開発したJRR-4運転支援システムの構成・特徴についてまとめたものである。このシステムは運転員の負荷軽減・誤操作防止、利用者への適切な運転データ提供などを目的に開発した。システムは、おもにワークステーション、プロセス計算機とパーソナルコンピュータの計3台で構成されている。データ収集・保管、監視・制御及び運転支援を行う。これにより、運転に対応した監視画面の提供、運転データの保管などが容易に行える。さらに、一部運転操作の自動化も実現した。
中沢 利雄; 藪内 典明; 高橋 博樹; 島崎 潤也
JAERI-Tech 99-008, 45 Pages, 1999/02
実用原子力船においては、経済性向上の面から運転の省力化を図るとともに、陸上からの運転支援が困難であることから、原子炉運転の完全自動化と異常の予知等の運転支援システムの整備が重要である。本自動化システムの開発は、原子炉起動から出力上昇及び原子炉停止までの一連の通常時の運転操作の完全自動化を目的に、手動操作が主体であった原子力船「むつ」プラントの通常運転をモデルに、「むつ」の運転経験をもとに通常運転時の完全自動化を検討したものである。本報告書は、通常時の全自動化システムについて、開発したシステム構成と原力船エンジニアリング・シミュレータを用いた検証の結果についてまとめたものである。
石橋 祐三; 黒田 能克*; 仲嶋 淳*
PNC TJ8216 98-003, 243 Pages, 1998/03
FBR燃料再処理施設などの将来施設における自動化には、高放射線環境下で使用できる耐放射線性マイクロコンピュータを中心とした耐放射線性電子機器の開発が必須である。この開発により信号ケーブルの本数削減、自律制御による作業効率の向上、長寿命化による保守費の削減が可能となる。ここでは、耐放射線性マイクロコンピュータによる施設の自動化に向けたシステムの構築を行うためのシステム検証を目的とした「耐放性マイコン内蔵型線スペクトル測定装置」のシステム設計を行った。この設計にあたっては、先に実施した耐放射線性マイクロコンピュータのブレッド・ボード設計・試作の成果を踏まえ、ハイブリッドIC技術を適用した耐放射線性マイクロコンピュータを採用した。この耐放射線性マイクロコンピュータは、集積線量が10sup7RADを越えた状態にあっても機能するものとし、10sup8RAD(集積線量)を目標としたものを組み込んだ設計を行った。
井上 彰一郎
船の科学, 51(1), p.68 - 74, 1998/01
原子力船「むつ」の実験航海の成果により、原子力を動力とする船舶の実現性が実証され、船の推進エネルギーとしての原子力の優位性が多々証明された。実験航海終了後の「むつ」の原子炉は、原子炉室一括撤去方式により移送し、保管建屋に安全に保管展示して、一般の見学に供している。改良舶用炉の研究開発は、「むつ」の成果を活用しつつ小型で軽量かつ経済性にも優れた舶用炉の開発を目指し、大型船舶用原子炉(MRX)と深海船用原子炉(DRX)の工学設計研究を新しい安全の概念を採用した一体型炉として、要素技術の実験研究等を行いつつ実施してきた。原子力船を実現するということは、単に海上における動力エネルギーの安定確保のみならず、大量高速輸送への対応や大気汚染防止等地球環境保全の上でも非常に意義があり、深海調査、極地調査等の可能性の拡大にもつながる。
大岡 紀一; 石井 敏満
軽金属溶接, 36(5), p.216 - 221, 1998/00
本稿は、超音波探傷試験に関する各種試験法の特徴や開発動向及び国内外の規格について紹介するものである。最近この非破壊試験技術は、装置の制御機構の改良及び信号や画像処理能力の向上に伴って、超音波探傷検査システムの自動化や探傷信号の映像化が図られ、高精度なきず検出が実現した。特に、原子力プラントでは、自動化や遠隔操作性を向上した装置が開発され、検査員の被曝低減が可能となり、実用化に至っている。今後は、探傷システムの更なる自動化及び高度化の検討が進み、きずの位置や寸法を高精度で定量的に認識できると共に超音波探傷の適用範囲の拡大が進められることに期待したい。
藪内 典明; 中沢 利雄; 高橋 博樹; 島崎 潤也; 星 蔦雄
JAERI-Tech 97-057, 54 Pages, 1997/11
舶用炉において、原子炉運転操作の自動化範囲の拡大を進めている。原子炉通常運転操作の全自動化に引続き、異常時対応操作の中で、スクラム後の対応操作の自動化を行った。作製した自動化システムは、(1)スクラム関連作動設備の動作確認機能、(2)スクラム後対応操作の自動化、(3)主要パラメータの選定・維持操作の自動化で構成され、スクラムによって引き起こされる過渡変化の早期収束とその後の主要パラメータの選定・維持を図るものである。手動操作の自動化では、運転員の経験に基づく運転員知識を取り込み自動化を行った。その結果原子力船シミュレータでの検証では、原子力船「むつ」のスクラム時データと比較して、原子炉蒸気の早期遮断が可能となり、プラント状態の早期の安定的収束を得ることができた。
加藤 正人; 豊島 光男; 飯村 直人; 上村 勝一郎
PNC TN8410 97-065, 147 Pages, 1997/03
水炉用MOX燃料の高燃焼度化を達成する方策として有効な,ガドリニア添加MOX燃料の照射挙動及び健全性評価を目的に、ノルウェーのハルデン炉で行う照射試験用燃料として中空ペレットスタックの中空部にガドリニア棒を挿入したDuprexタイプ燃料を含む24本の燃料要素を製造した。本報告書では、照射試験燃料製造の過程で得られた種々の知見について、ガドリニア棒の開発、燃料ペレットの製造及び燃料要素の加工の各段階に分けてまとめた。1. ガドリニア棒の開発バーナブルポイズン量を同一に保ちながら、セラミック棒の強度を保持するためGd2O3棒以外に、希釈材を添加した太径の棒も開発することにした。そのため、希釈材としてZrO2を採用した。Gd0.405Zr0.595Oy、Gd0.5Zr0.5Oyの試料を製作し、融点、熱安定性等の測定を行った。融点はそれぞれ、2510及び2360を得、Gd0.405Zr0.595Oyは蛍石型構造が安定で、1700まで形状変化がなく、Gd0.5Zr0.5Oyはパイロクロア構造が現れることを確認した。また、照射材料としてGd0.405Zr0.595Oy及びGd2O3の細径長尺棒を押し出し成形で製作し、1700まで形状が変化しないことを確認し、照射材料として十分に供与できることを確認した。2. 燃料ペレットの製造(1) 使用する原料粉末の焼結特性を把握し、対策を施す(本試験においては、使用するPuO2粉末を粉砕することにより焼結性を向上させ、一方の天然UO2粉末は、800で熱処理することにより焼結性を抑制し両者の焼結時の収縮特性を合わせた。)ことによりペレット密度約95%TDを得ることが出来た。(2) ウイズドロアル式プレス機での成形時の上下圧バランスの状態を、上パンチ停止後にダイ停止させることにより、焼結後のペレット形状が台形になるのを防ぐのに適切な条件であることを見い出した。3. 燃料要素の加工ガドリニア棒入り燃料要素の製造は、半自動で行ったことから特に問題は発生しなかった。しかし、今後、大量生産を可能にするためには、自動化は不可欠である。そのため、設計段階での工夫が必要である。特に、ガドリニア棒径と中空ペレットの内径の差は、自動化レベルとの兼ね合いで最適化を図る必要がある。
佐藤 健次*
PNC TJ8005 97-001, 122 Pages, 1997/03
先進的湿式プラントは、高速炉燃料サイクルコストの大幅な低減を目指したプラントであり、ゲル化転換、振動充填燃料方式による酸化物粒子燃料の製造を行う一体型燃料リサイクルプラントである。本設計研究では'95年度の設計研究成果を踏まえ、更に最適化したプラント概念を構築するため'、下記の評価・検討を実施した。(1)粒子粒径分布を2成分系より3成分系とした場合の影響評価(2)ブランケット燃料を粒子燃料(振動充填燃料)より簡素化ウランペレット(未研磨ペレット)とした場合の影響評価(3)各設備をモジュール化及び密閉化した場合の概念設計及び評価その結果(1)3成分系は、最小粒子の粒径が被覆管内径に比べて極めて小さい場合有効である。(2)製造法の開発及び燃料仕様の変更は必要であるが、簡素化ウランペレットを採用することにより、ブランケット燃料の製造工程を大幅に簡素化することができる。(3)装置のモジュール化及びバッチ処理を行うことにより、大幅に設置面積を減らすことができる。ことが判った。
児玉 伸一*
PNC TJ7694 96-001, 171 Pages, 1996/02
地層処分研究の基礎的研究である地層科学研究の推進には深度1000m級の試錐孔が必要不可欠となる。そのためには対称とする岩盤の状況に応じて、最適な掘削技術を採用する必要がある。本調査は試錐掘削技術について国内外の技術情報を収集し報告するものである。調査項目は下記の通りである。(1)孔曲がり制御技術(2)保孔方法に関するハードウェア調査(3)水質に影響の少ない泥剤の調査(4)スライム排出方法に関する工法調査(5)掘削時に於ける孔内状況把握のための装置(6)掘削中のリアルタイム坑底情報計測技術(7)掘削装置類の自動課・省力化に関する調査(8)米国DOE、ユッカマウンテンに於ける試錐掘削技術以上
島崎 潤也; 落合 政昭; 石田 紀久; 星 蔦雄
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), p.828 - 833, 1996/00
当研究開発室では一体型小型炉の設計研究を実施しており、大型船舶用原子炉(出力100MWt)の設計を完了した。この原子炉の特徴は、原子炉内装型制御棒駆動、水張式格納容器、自然循環の崩壊熱除去等の新技術を採用した一体型炉であり、計量・コンパクトで高い信頼性を実現する。本報告では、これらの新技術の開発状況を、MRX工学安全系の非常用崩壊熱除去系と自然循環式格納容器冷却系の設計、受動的安全性の検証実証・解析、制御棒駆動装置の設計等について述べる。さらに、原子炉の点検・保守期間短縮化のために、格納容器一括搬出方式の提案について、また運転員数の削減から高度自動運転の採用について述べ、最後にこの原子炉の各種エネルギ供給システムへの適用にふれる。
小嶋 素志; 檜山 敏明; 上村 勝一郎; 山本 純太
PNC TN8420 93-011, 40 Pages, 1993/07
湿式法によるMOX顆粒製造を目的とし、文献調査を行ない、各顆粒製造法の実用性について評価した。現在、湿式法としてはゾル-ゲル法、ゲル化法(内部ゲル化法、外部ゲル化法)により顆粒製造が行なわれており、既に各々の方法によるウラン、トリウム及びMOX燃料製造が報告されている。乾式法と比較し、湿式法は粉末の飛散等が少なく、被曝の低減化に適しているばかりでなく、プロセスが単純なため連続自動化も容易である。従って顆粒製造の技術的な問題点はプロセスの自動化であり、実試験への適用を考え、この報告書ではプロセス及びハードに重点が置かれている。また生成した課粒を用いた燃料の成形法や応用できる化学的形態についてもまとめた。なお、湿式法においては廃棄物発生量が大きい事が欠点である。これはMOX燃料はもちろん、PNCの今後の課題であるTRU燃料に適用した際にも大きな課題となる。そこで今後のまとめで生ずるであろう問題点及び考えられる方策についても言及し、MOX及びTRU燃料製造に向けての足掛りとした。
野村 保; 二之宮 和重; 小松崎 賢治; 江尻 明
PNC TN8520 93-002, 191 Pages, 1993/03
東海事業所の外部被ばく管理には、TLDバッジ、TLD指リング線量計、TLD(UD-200S、UD-300P2)、ポケット線量計を使用している。それぞれの個数は、TLDバッジが、全身・用として約7700個、中性子用として約6600個、指リング用が、約2000個、TLD(UD-200S、UD-300P2)が、約1100個また、ポケット線量計が、約400個である。さらにこれらのTLD読取り装置として、自動TLD読取り装置2台、手動TLD読取り装置6台を管理している。これらの個人線量計、TLD読取り装置については、従来から納入時検査及び定期的な検査を実施してきたが、これまでの管理経験を踏まえて従来の品質管理内容を見直すとともに、TLD読取り装置が新型になったこと等により、これらの品質管理マニュアルを改定する。本マニュアルでは、さらにTLDの品質管理用プログラムの操作手順書と自動TLD読取り装置の月例点検時における加熱調整・感度校正を効率的に処理していくためのプログラムソフトの操作手順書についても見直したものをとりまとめた。なお、従来のマニュアル(PNC N8520 86-04)は、廃止する。